株式会社日本文教センター 御中
受発注のデジタル化から始める
「データが残る会社」づくり のご提案
受発注EC化 × CRM × AIエージェント — 第2創業期の最初の構造投資として
提案日: 2026年6月11日(ドラフト)
提案: 株式会社etika
本書は初回面談前の仮説ベース提案です。仮説と記載した箇所は、面談でのヒアリングをもとに修正いたします。
1. エグゼクティブサマリー
- 御社は「幼保 × 中学家庭科 × 佐賀自社工場 × 小ロットOEM」という、調査した競合5社のいずれも持たない独自ポジションをお持ちです。一方で、販売店・文具メーカー経由の多段階商流ゆえに、「どの販売店から・どの学校で・なぜ選ばれたか」のデータが社内に残りにくい構造にあります仮説。
- 少子化で市場の母数が年約2%ずつ減る中(小学生581.2万人・過去最少)、勝ち筋は「数」ではなく「選ばれるデータを持つこと」です。2031年度の中学次期指導要領全面実施(想定)はカタログ「Stitch!」全面刷新の大型商機であり、それまでに採択・反響データを資産化しておくことが効きます。
- そこで、受発注のEC化(販売店向け受発注ポータル)を起点に、注文データが自動で溜まる仕組みを作り → CRMで販売店・案件・教員の声を一元化 → 溜まったデータにAIエージェントを接続する、3フェーズのロードマップをご提案します。
- 同型の先行例: FAX受注の食品卸・丸冨士様はBtoB EC化で受注量1.5倍でも残業ゼロ・EC年商3億円超。同じくFAX受注の山栄フーズ様は伝票入力が1日10時間超→1時間。従業員21名の矢田石材店様はZoho CRMで事務の週2〜3日分が自動化で浮きました(出典は §6)。
- 費用面ではデジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金、複数次締切)と佐賀県の生産性向上支援補助金の併用余地があります。
なぜ「今」か — 業界カレンダーからの逆算
2028〜2030年度
教科書検定・採択期
=改訂商戦の前哨戦
2031年度
中学校 全面実施
「Stitch!」全面刷新の本番
この間に「販売店別・教材別・教員の声」のデータ資産を積めるかが勝負
データは導入した日からしか溜まりません。2031年の改訂商戦に「過去5年分の採択・反響データを持って」臨むか、「勘と記憶で」臨むか — 着手時期がそのまま差になります。第2創業期の最初の構造投資として、最も回収期間の長い投資(=データ資産づくり)から始めることをご提案します。
2. 御社の現状理解と、私たちが見ている機会
事実(公開情報より)
| 観点 | 確認できたこと |
| 体制 | 2025年10月 渡邉駿社長就任、「第2創業期」。2026年6月 減資により資本政策の機動性を確保 |
| 商流 | 文具メーカー・教材販売店経由のB2B。直販なしを明言 |
| 顧客接点 | 紙カタログ「Stitch!」年1回(vol.14、表紙QRでアンケート収集開始)。高校生との対話型教材開発(2026年6月)など現場の声を取りに行く動きが加速 |
| 新規領域 | フクモモフェスタ向けメモ帳など教材外の小ロットOEMが動き出している |
| デジタル | SNS・EC・オンライン受注導線なし。問い合わせはフォーム・電話・メール |
機会 仮説
- 受発注がFAX・電話・メール中心であれば、新学期(2〜4月)の受注集中期に転記・確認作業が膨らみ、繁忙期残業の主因になっている可能性
- QRアンケートや高校生ワークショップで「現場の声を取る」動きは始まっているのに、それを溜めて活かす器(CRM・データ基盤)がまだない可能性
- OEMの引き合いが紹介・既存商流頼みで、「小ロット×佐賀自社工場」という強みがWebで見つからない状態
この3点は面談で必ず確認させてください(§8 前提・確認事項)。
3. 提案の全体像: 受発注EC化 → CRM → AIエージェント
Phase 0
業務フロー診断
約1ヶ月・軽め
現状の可視化と
投資対効果の確定
→
Phase 1
受発注のEC化
販売店向け受注ポータル
+FAX注文のAI-OCR
=データが自動で溜まる
→
Phase 2
CRMで一元化
販売店カルテ×案件管理
=溜まったデータを
資産に
→
Phase 3
データ活用・AI
需要予測・AI応対・営業支援
=資産を判断と省力化に
変える
設計思想は3つです。
- 「直販しない」方針はそのままに、データだけが社内に残る構造を作る。 EC化といっても消費者向け通販ではなく、既存のお取引先(販売店・文具メーカー)専用の受発注ポータルです。販売店を飛ばさない=チャネルを壊さないどころか、「発注が楽なメーカー」として販売店との関係を強くする打ち手です。
- 取引先にFAXを禁止しない。 移行はお取引先のペースで。FAXを使い続ける先の注文書はAI-OCRで自動データ化し、社内側だけ先にデジタル化します。「全員が移行しないと効果が出ない」計画にはしません。
- 受注元の構成に合わせて形を変える。 御社の受注が「多数の教材販売店から直接」なのか「少数の文具メーカー経由が大半」なのかで、最適解は変わります(販売店向けポータル/大口先とのEDI・データ連携/AI-OCR中心、の組み合わせ)。Phase 0 の診断で受注元の構成比を確認してから形を確定します — 本書のPhase 1はその代表形としてお読みください。
Phase 0: 業務フロー診断(最初の約1ヶ月・軽め)
- 受注〜製造指示〜出荷〜請求の流れと、FAX/電話/メール/Excelの実態を棚卸し
- 「どこで情報が人に張り付いているか」を可視化し、Phase 1以降の要件と投資対効果を数字で確定
- 成果物: 現状業務フロー図+改善ポイント一覧+ツール選定の比較表
Phase 1: 受発注のEC化(販売店向けBtoB受発注ポータル+FAX注文のAI-OCR)
- 販売店がWeb/スマホで型番発注・在庫納期確認・注文履歴照会できるポータルを構築(Bカート/アラジンEC/Zoho ベース等から要件で選定。既存の販売管理との連携を最優先)
- 並行して、FAXで届く注文書はAI-OCRで読み取り→受注データに自動変換。移行を待たずに社内の転記作業から先に消します(ツール候補はPhase 0で検証)
- 販売店側のメリットを先に設計します(移行率はここで決まります):
- 在庫・納期がその場で分かる(電話で聞かなくていい)
- 過去の注文履歴から再発注がワンタップ(新学期の定番品はこれが大半のはず仮説)
- 欠品・納期遅れの連絡が自動で届く
- → 「御社のためのDX」ではなく「販売店さんの発注業務が楽になるサービス」として案内する建付けに
- 狙う効果: 伝票転記の工数削減・入力ミス撲滅・新学期繁忙の平準化。そして最大の価値は「販売店別×商品別×時期別の注文データが何もしなくても溜まり始める」こと
- 参考事例: 丸冨士様(受注量1.5倍でも残業ゼロ)、山栄フーズ様(伝票入力10時間超→1時間、4ヶ月で取引先の半数が移行)
Phase 2: CRM導入(Zoho CRM を想定・要件定義で確定)
- Phase 1で溜まり始めた注文データに、販売店カルテ(担当者・商圏・温度感・代替わり情報)、OEM案件管理(引き合い経路・見積・失注理由)、「Stitch!」QRアンケートの教員の声を紐付けて一元化
- カタログ改訂時の販売店フォロー(誰にどの案内を出したか)を仕組み化
- 業界構造ならではの使い方: 教材販売店網の高齢化・廃業は業界共通のリスクです。販売店の代替わり・取引減少をデータで早期検知する「チャネル承継マップ」として運用できます
- 参考事例: 矢田石材店様(従業員21名・Zoho CRMで事務の週2〜3日分が自動化)、京屋染物店様(縫製含む4部門をkintoneで一元化→繁忙期売上約1.5倍)
- 定着支援込み: 入力項目は最小から始め、半日研修+入力ログによる定着診断で「入れたのに使われない」を防ぎます
Phase 3: データ活用・AIエージェント接続
AIは「最後のお楽しみ」ではありません。FAX注文書のAI-OCR(Phase 1)、議事録・カタログ原稿づくりへの生成AI活用(Phase 0からでも可)など、効くものから前倒しで入れます。Phase 3はデータが溜まったからこそできる本命の3つです。
- 需要予測: 教材は年度サイクルが明確な商売です。販売店別・地域別の注文実績から新学期の生産ロット・在庫を予測(ゑびや様: AI需要予測で的中率約95%・廃棄ロス90%減の同型アプローチ)
- AIエージェント(社外向け): 受発注ポータル上で、販売店からの「在庫ある?」「納期は?」「この教材の対象学年は?」にAIが一次応対。営業・事務の電話対応を削減
- AIエージェント(社内向け): CRM・受注データ・カタログ情報を参照して「この販売店、昨年比で注文が落ちている理由は?」「Stitch! vol.15で推すべき商品は?」に答える営業アシスタント
- 経営ダッシュボード: 製品別・チャネル別の収益可視化。原材料高の価格転嫁交渉(製造業の転嫁率39.4%と過去最低)の根拠データに
4. 追加のご提案観点(ロードマップと並走できるもの)
4-a. 教員・学校向けの「売らないデジタル接点」 特に推奨(Phase 2と並走可能)
- 直販はしないまま、Webカタログ(Stitch!電子版)+作品事例・指導案コンテンツ+QRアンケートの発展形で、教員と直接つながる情報接点を作る
- 受発注EC(Phase 1)が販売店側のデータを取る打ち手だとすれば、これはエンド(教員)側のデータを取る打ち手。両輪が揃って初めて「どの販売店経由で・どの先生に・なぜ選ばれたか」がつながります
- 時期は「Stitch! vol.15」の制作サイクルに合わせるのが自然です(紙カタログの入稿データを流用して電子版を低コストで併設)
- 競合のはくぶん様・文溪堂クロッサム様はすでにカタログ電子化済み。年1回の紙のみでは情報接点の頻度で劣後します
- ここで得た「どの先生が・どの教材に関心を持ったか」がCRMに入ると、2031年指導要領改訂時の商品企画・採択攻勢の最強の武器になります
- 学生服のトンボ様・カンコー様がスマホAI採寸まで進めた例の通り、「学校チャネルでもエンドのデジタル接点は作れる」ことは実証済みです
4-b. OEMリード獲得のWeb導線
- 「小ロット×佐賀自社工場×企画から縫製まで一貫」の強みを、OEM特設ページ+SEOで“見つかる”状態に
- 園児服のミナコンビ様はOEM受注開始を即Web発信する発信型。フクモモフェスタのような新規領域の引き合いを、紹介待ちから仕組みに変えます
- ポータル/CRMと接続すれば、引き合い→見積→受注→リピートまで一気通貫で追えます
4-c. 足元の情報基盤の整え(Phase 1と同時にやると効率的)
- 現在のメール環境は共用レンタルサーバ構成で、送信ドメイン認証(DMARC)も未設定です【公開DNSからの観察】。学校関連ビジネスは信頼性・なりすまし対策が今後ますます問われます
- Google Workspace等への移行で、メール・ファイル共有・社内情報共有の土台を整備。CRM定着の前提条件にもなります
4-d. 補助金の活用ロードマップ
| 補助金 | 状況(2026-06-11時点) | 充当イメージ |
| デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金) | 次回締切2026-06-15、以降も複数次予定 | Phase 1受発注EC・Phase 2 CRM |
| 中小企業省力化投資補助金(一般型) | 第7回公募中(〜7月下旬予定) | 工場側の省力化と併せ技 |
| 佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 ほか県の枠 | 第5弾受付の告知あり | 県内製造×賃上げ文脈で |
- 佐賀県内では光武酒造場様が県のDX補助金+現場5名チームで製造・営業DXを進めた事例が公開されており、同じスキームが使えます
- ※各枠の要件・締切は申請時点で要再確認。6/15回は日程的に厳しいため、次回締切に照準を合わせる想定です
5. 成果イメージ(KPI例・Phase 0診断で目標値を確定)
| 指標 | 現状【要ヒアリング】 | 目標イメージ |
| 受注1件あたりの入力・転記時間 | ? | 大幅削減(先行例: 10時間/日→1時間) |
| 新学期繁忙期の残業時間 | ? | 平準化(先行例: 受注1.5倍でも残業ゼロ) |
| 取引先のポータル移行率 | 0% | 6ヶ月で50%(先行例: 4ヶ月で半数) |
| OEM引き合い件数/経路の可視化 | 記録なし? 仮説 | 全件CRM記録・月次レビュー |
| 教員の声(アンケート・反響)の蓄積件数 | QR開始段階 | CRMに紐付け蓄積→商品企画に還元 |
想定リスクと対策
| リスク | 対策 |
| 販売店がポータルに移行しない | 移行を強制しない設計(FAX+AI-OCR併走)。販売店メリット起点の案内。パイロット5〜10社で「使った販売店の声」を集めてから横展開 |
| 受注の大半が文具メーカー経由で、ポータルの相手が少ない | Phase 0で受注元構成を確認し、大口先とのデータ連携・AI-OCR中心の構成に組み替え(§3 設計思想3) |
| 現場の入力負荷で CRM が定着しない | 入力項目は最小から。受注データは自動で入る設計にし、人が入力するのは「商談メモ・温度感」だけに絞る。半日研修+入力ログによる定着診断 |
| 繁忙期(2〜4月)に切り替えが重なり現場が混乱 | 構築・移行は閑散期に実施し、新学期は「すでに慣れた状態」で迎える逆算スケジュール(§7) |
| ツールが増えて運用が分散する | 受注・CRM・分析を連携前提で選定(Zoho等のスイート活用を軸に検討)。Phase 0で現行システムとの接続可否を先に確認 |
6. 根拠とした他社事例(出典つき)
| 企業 | 御社との近接点 | 施策 | 公表されている成果 |
| 丸冨士(食品卸) | FAX/電話受注のB2B卸 | BカートでBtoB EC | 受注量1.5倍でも残業ゼロ、EC年商3億円超 |
| 山栄フーズ(食品卸) | FAX受注のB2B卸 | アラジンEC+販売管理連携 | 伝票入力10時間超/日→1時間、4ヶ月で取引先の半数が移行 |
| 矢田石材店(従業員21名) | 同規模・職人型・新事業を機に導入 | Zoho CRM(顧客×工程) | 事務員の週2〜3日分の業務が自動化で削減 |
| 京屋染物店(岩手・縫製/染色) | 縫製現場を持つ老舗 | kintoneで4部門一元化 | 繁忙期売上約1.5倍、コロナ禍でも過去最高業績 |
| ゑびや(伊勢・約40名) | 地方・老舗・小規模 | AI需要予測 | 的中率約95%、売上4.8倍、廃棄ロス約90%減 |
| トンボ/カンコー(学生服) | 学校チャネルの縫製品 | スマホAI採寸→オンライン注文 | トンボは約1万人がオンライン注文 |
| 光武酒造場(佐賀) | 県内・地場製造 | 県DX補助金+現場5名チームでDX | 泊まり込み・手記帳の温度管理から脱却 |
※各数値の出典URLは「同業界 成功事例Deepレポート」(industry-casestudy-deep-report.md §9)を参照。ベンダー公表値を含みます。
7. 進め方・体制(案)
教材業は2〜4月の新学期に受注が集中します。
だからこそ「
2027年の新学期を、新しい仕組みで迎える」ことをゴールに、閑散期で構築を終える逆算で組みます。
| 時期(目安) | 内容 | 季節との関係 |
| 〜2026年7月 | Phase 0: 業務フロー診断(ヒアリング2〜3回+現場見学)。受注元構成・現行システム連携可否を確定 | 閑散期に現状把握 |
| 2026年8〜10月 | Phase 1: 受発注ポータル+AI-OCRの要件定義→構築。並行して補助金申請 | 閑散期に構築 |
| 2026年11月〜2027年1月 | 販売店パイロット5〜10社で試運転・改善。Phase 2: CRM設計・導入・半日研修 | 繁忙期前に習熟 |
| 2027年2〜4月 | 新学期繁忙を新体制で実戦投入 — ここで工数削減・残業の差分を実測 | 効果測定の本番 |
| 2027年度〜 | Phase 3: ダッシュボード・需要予測・AIエージェント。実測データと教員の声を「Stitch!」改訂サイクルに還元 | 2031年改訂への助走 |
- etikaはツール販売ではなく業務設計起点です。Phase 0の診断結果次第で「EC化より先にCRM」「まず基盤整備」など順序の組み替えをご提案する場合があります。
- 推進体制は光武酒造場様方式(現場から少人数チーム+経営トップのスポンサーシップ)を推奨します。
8. 前提・確認事項(初回面談で伺いたいこと)
- 販売店・メーカーからの受注経路の実態(FAX/電話/メール/その他の比率、記録方法)→ 本提案の根幹仮説
- 受注元の構成比: 文具メーカー経由 vs 教材販売店直の売上比率 → Phase 1の形(ポータル/データ連携/AI-OCR)を決める分岐点
- 販売管理・在庫・請求の現行システム(パッケージ? Excel?)と連携可否
- 取引販売店数・主要取引先の構成(ポータル展開の規模感)
- QRアンケートの反響と社内での活用状況
- OEM引き合いの経路と件数感
- 第2創業期として優先したいテーマ・投資の意思決定プロセス
- 補助金活用のご意向・過去の申請経験
⚠ [人間確認](社内用 — 客先提出・印刷時は本ブロックを削除。印刷時は自動非表示)
- 価格・契約形態が未記載(etika側の標準メニューに合わせて追記要)
- 「FAX/Excel運用」「OEM引き合いが紹介頼み」は仮説のまま提案に組み込んでいる — 面談前に出すか、面談後に確定版を作るか判断要
- 競合名(はくぶん・クロッサム等)を提案書に記載している — 客先提出版でトーン調整要
- DNS観察(DMARC未設定等)の記載 — 客先提出版では表現を和らげるか削除を検討
- 補助金の締切・要件は提出時点で再確認(6/15回は間に合わない前提で記載)
- 事例数値はベンダー公表値を含む(出典明示済みだが、口頭で語る際は「公表されている数字では」と前置き)
- AI-OCRの具体ツール名は未記載(Phase 0で検証と記載)— etika側で推奨ツールがあれば追記
- スケジュールの「2〜4月が繁忙期」は学直教材の一般論からの推定 — 御社の実際の繁忙カレンダー(カタログ入稿時期・幼保の納品サイクル含む)をPhase 0で確認し補正